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zoom RSS ウェスタンモンテンメキシカンガータースネーク

<<   作成日時 : 2015/01/21 22:22   >>

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Western Montane Mexican Garter Snake “near El Salto, Durango State MX.” E.U. C.B. ♂

最近になってまたこの辺がアツいなぁって感じなんですよ。

という訳で、チョッと前にサカプ(Thamnophis eques insperatus)やチャパラ(T. e. obscurus)なんかをアップしましたが、今回は記載も古く、そのユニークな分布パターンがよく知られてる、ウェスタンモンテンメキシカンガーター(T. e. virgatenuis)を紹介したいと思います。

まぁ、よく知られてるっても、確実に本亜種である個体がホビーの世界で広く流通したのは、ブリーダー氏が繁殖に成功した去年が初で、ボクも実際に目にしたのは今回が初めてです。そして、個体群によっては、ここまで綺麗な色をしてるってのも知りませんでした。

だって、それまでよく知られていた本亜種の姿って、Rossman et al. (1996)に掲載されている写真がほぼ全てって感じだったじゃないですか。しかも、それに写ってる個体は青っぽいと言われれば青っぽいけど、なんか白っちゃけてパッとしないというか、印象として「色みのない地味なイースタン(T. sirtalis sirtalis)?」みたいな感じだったでしょ。なので、ボクにとってコイツらは“単なるエクエスの1亜種”くらいの認識だったんですよねぇ。

ってか、そもそも青や緑が綺麗な「湖のエクエス」連中が広く知られるまで、エクエスという種自体が「プロテクトがキツくて入手が難しい割に、イースタンやプレインズ(T. radix)なんかとの違いがなぁ…」って感じだったもんなぁ(湖のエクエス連中にしたって、記載論文の写真は白黒でしたし)。

それが実物来たら、コレですもん。

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Western Montane Mexican Garter Snake “near El Salto, Durango State MX.” E.U. C.B. ♂

“青いガータースネーク”っていうと、代表的な所ではフロリダブルー(T. s. similis)やピュージェットサウンド(T. s. pickerlingii)なんかが思い浮かびますけど、青色の色調がソイツらともまた違うと言いますか、青色がテラッとしたパステル調で、爽やかな感じだなぁって。

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Puget Sound Garter Snake “Turquoise Phase” Japan C.B. ♂ <過去販売個体>

あ…あれ!?

いやいや、違う違う。

それくらい青いってコトですよ。

だって、確かに記載論文(Connant, 1963)のDescriptionでは「体側や上唇板は青みを帯びた灰色」って書いてありました。ありましたけど、欧米の方がいう青って…って思うじゃないですか(笑)。それが、青さで一気にスターダムに伸し上がったピュージェットサウンドと較べても、十二分に引けを取らないてんだから、その青色たるや、やっぱしスゴイっす!

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Western Montane Mexican Garter Snake “near El Salto, Durango State MX.” E.U. C.B. ♂

この辺は記載論文の記述の通りかな。

背面と体側のストライプに挟まれるエリアは黒みが強く、2列交互に並ぶ四角いチェッカー斑が不鮮明で、その背面のストライプはVirgatenuisの亜種小名の通り、“細いスジ”になってますもん。

これはどの個体群にも安定して見られるようだし、他のエクエスの亜種にはあまり見られない特徴なので、見慣れると結構分かりやすい亜種かも。

他の黒っぽい亜種、それこそ「湖のエクエス」であるチャパラやクイツェオ(T. e. cuitzeoensis)なんかは背面のストライプが太いし、他の亜種は…ディルビアル(T. e. diluvialis)なんかはチョッと不鮮明かもですが…チェッカー斑が目立ちますからね。

ってか、そもそも他のエクエスの亜種は背面のラインが太く、“ホソスジ”じゃないか。

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Western Montane Mexican Garter Snake “near El Salto, Durango State MX.” E.U. C.B. ♀

因みに、先ほどから「個体群」という単語を連発していますが、コレは冒頭でも書いた本亜種の分布パターンによるためだったりします。

というのも、この亜種、チワワ州中西部と北西部、およびデュランゴ州南西部の、いずれも標高2100mを超える高地に、分断されるように分布してるんです。

つまり、地理的に隔絶された個体群が3つ存在すると。

そして、更に面白いのが、その周りの標高2100m以下の地域には他亜種であるノーザンメキシカン(T. e. megalops)が分布する、つまり、標高によって2亜種が棲み分けてるんですよ!

ヘビでこういう分布パターンを示す種って、ほとんどいないんじゃないかなぁ。少なくともボクにはパッと思い浮かばないですもん。高地に分断された個体群ってだけなら、よく知られてるトコでバハマウンテンキングスネーク(Lampropeltis zonata agalma)なんかがいますけど(まぁ、近年ではSierra JuarezとSan Pedro Martierの個体群は別亜種とすべきという説もありますが…)、彼らの場合は、別亜種と標高で棲み分けてる訳ではないでしょ。

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Western Montane Mexican Garter Snake “near El Salto, Durango State MX.” E.U. C.B. ♀

で、そうなると気になるのが、コイツラのローカリティですよね!?

という訳で、ブリーダー氏に直接コンタクトを取って、オリジナルが採集されたロカを聞いてみた所、3か所の分布域で最も南にあたるデュランゴ州南西部、そのデュランゴ州南西部でも州都デュランゴに近い、エル・サルト周辺の、標高2600m付近と教えていただきました…って、エル・サルト?

じゃあ、ほぼ模式産地ですよね、ソコ。

ってことは何!? 模式標本になった個体達もこういう色をしてたってコト?

確かに、ボクも後から少し調べた所、他にもデュランゴ州南西部の標高2600m付近の場所でこういう青い個体が撮影されていたもんなぁ。じゃあ、なんでRossman et al. (1996)の写真はあんなんだったんだろ?撮影地はデュランゴになってるけど、チワワ州中西部の標高2200m付近で撮影された本亜種と思われる個体の方があの写真に近い体色してたし……う〜ん。

でも、アレですね、前に「メキシコのガーターは湖のエクエス以外は総じて茶色い」みたいなコト書いちゃいましたけど、それは前言撤回して反省ですね。まさか北米連中も顔負けの青いガーターがいたとは。いやいや、今の今まで全く知りませんでした。ホント、知れば知るほどに、底がしれないホビーだなぁってのを、今回の件で改めて思い知らされましたよ。

因みに、タイトルの英名ですが、なんか語呂というか、リズムがよくなくないですか? ウエスタ “ン” モンテ “ン” メキシカ “ン” って、「ン、ン、ンって、しつけぇよ!」って感じ(笑)。最近…というか、去年からブルーストライプメキシカンガーターという名前も使われるようになってきたようですが、それだとチワワ州の個体群はどうなのかなぁって感じがしなくもない…というコトで、個人的には極々一部の方が使っていたハイランドメキシカンガーターがシンプルで、亜種の分布も反映していて、カッコイイなぁと思ってたりします。

ハイランドっていう響きもイイし!

え!? 和名?

あぁ…まぁ、亜種小名そのままに、ホソスジメキシコガーターヘビとでも呼んどきゃイイんじゃないすか。

ボクは使いませんけど(笑)。


【参考文献】
Connant, R. (1963): Semiaquatic Snakes of the Genus Thamnophis from the Isolated Drainage System of the Rio Nazas and Adjacent Areas in Mexico. Copeia 1963; 473-499.

Rossman, D. A., N. B. Ford, and R. A. Seigel (1996): The Garter Snakes. Evolution and Ecology. 352pp.


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