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zoom RSS ディオネラットスネーク “スーパーレッド”

<<   作成日時 : 2015/10/28 19:31   >>

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Dione Rat Snake “Super Red” E.U. C.B. ♂

チイサイモノスキー&バリエーションスキーには堪らない、ディオネラットスネーク(Elaphe dione :カナ表記は長音省略)

今回は、そのインパクトたるや、従来のディオネの印象を遥か彼方に吹き飛ばした、スーパーレッドの紹介です。

このスーパーレッド、巷では“ウラジオストクレッド”などとソレっぽく呼ばれたりもしますが(10/30追記 例えばココとか)、厳密に言うとローカリティモルフではありません。

なので、ボクは欧米のスタンダードに合わせて、スーパーレッドと呼ばせてもらいます。

あ、一応フォローしておくと、“ウラジオストクレッド”って名前も、この品種を固定する過程でウラジオストクを含む沿海地方(Primorskiy Kray)の個体群であるチェルスキー(E. d. “cherskyi ”)が深く関与してますから、全く見当違いって訳じゃないんですよ。

ですけど、この「オレンジ色の体色+ストライプの模様」という形質を持つ個体がどのような経緯で出現したのかについては、「チェルスキー(厳密に言うとチェルスキータイガー)との交配で作出」という以外、その詳細は明らかにされていないし、その固定の過程で交配相手に使ったチェルスキーのオリジンも、沿海地方と地続きとはいえ、中国北東部だって話じゃないですか。それだと流石に、ウラジオストクの名を冠するのも…ねぇ。

それに、やっぱし分かりやすいですよ、スーパーレッドの方が。

チョッとダサいけど(笑)。

でも、これなら個体の赤みの程度によって、シンプルにオレンジ、レッド、スーパーレッドと呼び分けるコトも出来るでしょ。

ホントなら、チェルスキータイガー絡みのブロッチタイプもいるので、そこにストライプ、ブロッチの区分けを付けた方がベターなのかもしれませんけど、その辺は「見れば分かるでしょ」みたいな感じなのかもしれませんね。

そういや、以前はサングロウなんて呼び名もありましたっけ。

って、すいません、個体の魅力ソッチ除けでダラダラと。

でも、コイツについて説明って要ります?

それこそ、見てもらえば分かるでしょ!?

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もう、ホント、こんな感じで、赤いです!

で、この赤色とストライプは遺伝形質で、ストライプに関してはチョッと確定的なコトが言えないんですけど(一応、劣性とのコトなんですが…)、エリスリスティック(Erythristic=赤化)に関しては劣性で遺伝します。

というコトで、お約束のスーパーレッド×スーパーレッドやスーパーレッド×チェルスキータイガーだけでなく、欧米ではスーパーレッド×シーアン(Xian:西安)、スーパーレッド×イエローストライプ、そしてスーパーレッド×T-アルビノなどなど、様々な組み合わせでコンボモルフやローカリティクロスモルフが作られています。

そう、つまりですね、別にペアで買わなくとも、このスーパーレッドに関しては、いくらでも楽しみようがあるんですよ。

特に、日本では中国オリジンのノーマルが手頃な値段で流通するじゃないですか。なので、そういった時にチョッと気になる体色のメスをピックアップすれば、単にスーパーレッド同士を掛けるよりも、もっと色々と遊ぶコトが出来ると。例えば、黒っぽい色調の個体を選んで、2世代目でもう少しエグい感じの赤色が取れないかなぁとか、黄色っぽい個体を選んで、もう少しオレンジ色に振ってみようかなぁとか、作り手のセンスでいかようにも遊べる。それに、ストライプが独立形質であるなら、黒っぽい体色にストライプとか、明るい茶色のベースにチョコレート色のストライプとかも出来ますよね!?

どうです? すっごく面白そうじゃないですか???

個人的にはメラニスティック(E. d. “nigrita” )や、テネブロサ(E. d. “tenebrosa”)を含む各系統のパターンレスなんかとのコンボがヤバそうだなぁと妄想してるんですが……そこまでやって誰得なんだろうなぁと思ったり、思わなかったり(笑)。

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因みに、ディオネラットスネークはサイズ的にかなりコンパクトで、メスで80〜90p±、オスは更に小さく75p±にしかなりません(ex. SCHULZ, 1996. STASZCO & WALLS, 1994)。時折100pを超える個体も出現するそうですが、それでもコーンスネーク(Pantherophis guttatus)よりも一回りチョイは小さいので、ロカ、モルフのコレクションに走っても、他のコレクション性の高い連中に較べて省スペースで済んだりします。

コレ、かなりポイント高くないですか?

しかも、先ほどから出てくる地名を見てもらえば分かるように、かなり寒冷な地域にまで分布しているので、寒さにも強いし、かと言って、ボクの個人的な印象だと、暑さに弱いって訳でもない。少なくとも、カリフォルニアマウンテンキングスネーク(Lampropeltis zonata)のように、「ボク、26℃超えたら、調子崩すから!」みたいなコトは全くありませんでしたからね。

せいぜい、夏眠に入って、餌が止まるヤツがいるくらいかな。

でも、こんなのヨーロッパ−アジア系のナミヘビじゃ普通でしょ。

あと、別名のステップスラットスネーク(分布域の大半が中央アジア−ロシアのステップ地帯に重なるコトに由来)の通り、棲息環境が棲息環境なので、湿度やら何やら煩わしいコトに気を遣う必要も無い。いわゆる“ナミヘビ飼育のベーシック”で普通に飼育してもらえれば、それでOKなのもポイントかな。

こう考えると、人気の出るナミヘビの要素はかなり備えてるんですよね、ディオネ。

あ、あとアレだ!

コイツラは繁殖サイクルというか、孵卵期間がナミヘビん中でも群を抜いて独特ですよね。

寒い地域にいるせいか、孵卵期間がアベレージで1ヶ月ほど(18〜36日)で、最短だと13日という記録もあるそうなんですが(OLEXA, 1975. SCHULZ, 1996)、どうです、スゴクないすか?

こういうの知ると、ホントにそうなのか、実際に自分でも試したくなりません???

ブリードの楽しみってえと、どうしてもモルフ作出が先行しがちですけど、コイツラの場合、コイツラ独特の生態まで楽しむコトが出来るのが素晴らしいですよね。

うん、こう考えると、マイノリティーに甘んじているの、やっぱオカシイわ。

それに、名前だってウラノスとガイアの娘にして、アフロディーテの母親である(まぁ、この辺は諸説ありますが、ここでは省略…ってか、ギリシャ神話に関するブログじゃないですから、ここ)女神ディオネでしょ。クスシ(Zamenis longissimus)のアスクレピオスばっかフューチャーされますが、コッチは学名からしてディオネですからね!

キラキラネームっぷりじゃ、負けてないでしょ!?

ただまぁ、正直地味シブな本種に、何でこんな大袈裟な種小名を付けたのかは、記載論文読んでないから謎なんですけど。

で、話を元に戻して、今回のスーパーレッドなんですが、オス単体の入荷ですので、価格は「え!? オレンジじゃなくて、レッドでそれなの?」みたいな感じだったりします。普段はこのブログで値段どうこうについては極力書かないようにしてるんですが、流石に今回の価格はボクも「コレでイイの?」ってビックリしたんで、一応参考までに。

あと、メスに関しては、ご相談下さい。先にも書いたように、他のローカリティやモルフと交配してもイイし、スーパーレッドで揃えたいというのであれば、ブリーダーにコンタクトを取ってみるコトも可能です。


【参考文献】
OLEXA, A. (1975): Einiges zur Ökologie, Ernährung und Eiablage von Elaphe dione (PALLAS, 1773). Das Aquarium (74):358-361.

SCHULZ, K.D. (1996): A Monograph of the Colubrid Snakes of the Genus Elaphe FITZINGER. 439pp.

SCHULZ, K.D. ed. (2013): Old World Ratsnakes. A Collection of Papers. 432pp.

STASZCO, R. & J. G. WALLS (1994): Rat Snakes. A Hobbyist's Guide to Elaphe and Kin. 208pp.


在庫や価格、発送/配達の可否など、ご質問はメール(herp.supply☆kbd.biglobe.ne.jp ※メール作成の際は☆を@に変えて下さい) または TEL(03-3317-5569)にてお気軽にお尋ね下さい。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
記事を拝見しまして♪
あまりに綺麗で少し、そそられてしまいました(^_^)
繁殖も面白そうですし♪ラットスネーク改めて、いくつか飼育を検討しようかしら(笑)

毎年イベントに行くと衝動買い(笑)してしまうパターンですが(^w^)
11月のぶりくら市は探し物&物色する予定です♪
アニマル
2015/10/30 02:28
三つ編み様こんにちわ。
これって サラサナメラ ってやつですか?
あの きったない という印象しかない色合いのどこに赤い要素があったんでっしょうかね・・・それ考えると、いつまでたってもアカジムグリが茶色い成蛇でおわってしまう現状はアカンですね・・・。
HBMは閉店間際にいきますが、沢山の質問を持ってクリーパーブースに直行しようと思います。
安皮雄二郎
2015/10/30 17:58
>アニマルさん
どうしても人気種がフューチャーされがちですが、その影に隠れた魅力的な種類というのが、ナミヘビに限らず、沢山いて、ディオンもその1つですね。

…ってもまぁ、よく流通するノーマルがパッと見、かなり地味シブな感じなんで、マイノリティなのも仕方が無いっちゃ仕方が無いんですけど(笑)。

でも、こういう個体をキッカケに、その種のコトをちゃんと知れば、見た目だけじゃない面白さにも気付いてもらえるかなと。
G!!
2015/10/30 19:17
>安か…
って、怒られますよ、ジムグリ先生。

そうそう、サラサです。コイツラ分布が東西に長いだけあって、地域個体群のバリエーションがスゴイんすよ。で、中国北東部からロシア沿海地域にかけた個体群(かつて別種として記載されたコトも)の中に、地色がくすんだ黄褐色で、鱗と鱗の間に赤色が染み出すように発色するヤツがいて、その辺をイジくり倒して作出したのがコイツラなんだとか。スゴイですよね、ロシア人。

あ、この個体のブリーダーはヨーロッパの人ですけど。

というコトで、ジムグリお願いしますね!個人的に無斑タイプは赤と茶色の2色をキチンとやって欲しいなって。あ、ボクはジムグリ、相性が悪いから、口しか出しませんので、悪しからず。

H.B.M.来られるんですね。AさんとSさんと一緒にお待ちしてます。
G!!
2015/10/30 19:32
って、そう言えば、ジムグリ先生、千石さんの「爬虫両生類飼育図鑑」に載ってるサラサの写真、アレってドコで撮ったものか聞いてませんか?あのタイプのサラサって、あの写真しか見たコトが無くて、そもそも顔つきがサラサっぽく無いのも含め、どの辺の地域のモノか、昔から不思議だったんです。

ご本人に聞きたかったんですが、いつも話が脱線して、聞けずじまいになっちゃったんで、ご存じでしたら、教えて下さい。
G!!
2015/10/30 19:40

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